キミが生きたいと願うならば。
第1章
息子
春風が、私の髪の毛を、舞い上げる。
今日もいつもと変わらない高校生活が、始まった。
「おはよう御座います。2-Bの皆さん。今日から、転入生がこのクラスに来ます。新たなクラスメイトと仲良くしてあげて下さいね。」
おじいちゃん先生が、柔かに微笑む。
「先生ー!女子ですかー?」
「男子ー?きゃー!!」
男女が、突然の発表に興奮している。
なかには、鼻血を、出した馬鹿もいた。
「皆さん、落ち着いて下さい。」
おじいちゃん先生が、くしゃくしゃな偽善の笑顔を、見せて困っている。何か言いたそうだ。