我が家の家庭事情
「……………おはよう」
「おお舞華おはよう!今日も美人………やな?」
「首傾げないで反応に困る」
朝、学校に来て、千尋に微妙な顔をされた。
それに地味に落ち込みながら、カバンを机に置き席に着く。
そんなあたしにどう思ったのか、千尋は不思議そうな顔をしながら私の前の席に足を跨いで座った。
女の子なのに、なんて格好だ。
「舞華どうしたん?今日の顔いつもの3倍は暗いで?」
「寝不足なんだ。…………あといつもは無愛想なだけだ」
若干失礼なことを言われた。ちゃんと訂正しておく。
「寝不足かぁ。どうりで反応にキレがない。
だから後ろ髪跳ねてるんやね」
「寝付けなくて何度も寝返りうったからな」
「何かその言葉聞くと髪なんか毎朝気ィ遣ってませんよーって聞こえるんやけど」
「ご名答」
「信じられん。女としてあるまじき姿。直毛撲滅しろ」
そう言うやいなや、千尋はカバンのポーチからくしと寝癖直しを取り出し、私の髪を直し始めた。
千尋は女子力が高いと、つくづく感じる。