我が家の家庭事情



「………で?なんで寝不足なん?何か悩み事でもあるんか?」


私の髪にスプレーを吹きかけながら、千尋が言った。


「え?」

「だって、何もなしに寝不足なんかならんやろ?なんかあったんか?
あっ、もしや竜君に襲われたとか?アハハ」

「…………」

「え、えええっ?!まままさかホンマに襲われたんか?!」

「い、いや…………襲われてはない」
      ・
「襲われては?!じゃあそれに近しいことはされたんか?
あんの茶髪バカに何された、言ってみぃ!しばき倒したる!」

「い、いや…………未遂だよ、未遂」


思った以上に千尋の反応が激しくて戸惑う。

そのせいで言わなくてもいいような事を口走ってしまった気がするが………。


「うぅーわ、うち竜君だけは信用してたのに。やっぱり奴も男やったんか。あのヘタレも」

「はは……」

「で?そのバカのせいで寝不足なんか?」

「いや…………どっちかというと、うちの坊ちゃんのせいだ」

「?」


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