我が家の家庭事情
別に私は、竜のことを恋愛的な意味で好きじゃない。
私には竜以外に好きな人がいる。………いやそれはいいとして。
正直言って、悠斗や秀人とか、周りに言われることについては、納得できる節がある。
私だってそんなに鈍くないし。
竜からの時折そそがれる柔らかい視線とか、気心の知れた笑い声とか顔とかは、
自惚れじゃなくて好意を感じるものだった。
あれを悠斗曰く〝猛アタック〟というんだろうか。
それは竜じゃないから分からないけど。
違うんだよ。
私かモヤモヤしてることは、そういうんじゃ。
竜のことで悩んでるってのは間違いじゃないけど。
…………言いながら自分でも正直分からないんだけど。
「…………千尋って男女間の友情とか信じる?」
「うーん、信じない派やね。ないやろ」
あ、トドメさされた気分。