我が家の家庭事情



「いやー。まさか生物室の掃除なんか任されるとかー。マジ高木死ねばいいのにー」

「サラッと恐ろしいこと言うなよ。先生何も悪くないだろ」


放課後。私と秀人の二人は、生物室の後片付けを任されていた。

今日の5限が生物の実験だったからだ。



「いや、高木が悪くない?今日の実験の後片付けだけなら良くはないけどともかく、
何あの準備室の散らかり方。明らか整理整頓の出来ないダメ教師じゃん」

「酷なこと言うなぁ。きっと忙しかったんだろーさ」

「いや、明らか一日二日の荒れようじゃないよね」


確かに、転がされたビーカーにはうっすら埃がたまっているし、積み上げられたプリント類も数がすごいけど。

体よく使われたとか思いたくない。



「ったくさー。ちょっと居眠りしたくらいでコキ使われて、俺ら可哀想だ。なぁ松島」

「一緒にしないでくれる。私は寝てたんじゃないの」

「じゃあ何でやらされてんの?」

「………………」


何で私と秀人がこんな事をさせられてるかというと、
理由は簡単。授業で上の空だったからだ。

秀人は上の空どころか話すら聞いていなかったみたいだけど。


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