我が家の家庭事情

「気付いてないの？松島、最近ずっと俺たちのこと、羨ましそうな目で見てる」


「…………」


羨ましそうな目？

………どういう事だろう。



「ほら、やっぱり鈍感だ」


「私、別に鈍くないよ」


「そうだね。確かに松島は鈍くはない」


「どっちだよ」



言葉遊びのようなことを言って、秀人は私を惑わせた。

見透かしたような瞳は、何を思っているのか。
…………読めない。



「松島は、周りの変化には超がつくぐらい敏感なのにさ。
自分の事には鈍感すぎるよ」


「…………」


自分のこと？



「だから、言ったじゃん。俺たちのこと、羨ましそうな目で見てるって」


「…………」


「自分でも、何となく思ってんじゃないの？
俺たちのこと見て思うこと、ない？」