我が家の家庭事情
わりとフレンドリーなその男子は、毎朝話しかけて来てくれるが、正直少し面倒くさい。
ああいう明るい奴って、俺とはどことなく合わない。つまり苦手ってことだ。
ココに転校してきて1週間経った。
普通に周りと会話もするし、孤立しているって程でもないけど。
でも俺は、友達の一人も出来ていない。
まぁそれは、俺が望んだことであって、別に寂しいとも思わないんだけど。
(……だって、誰かといるのは苦手だ)
朝の光を浴びながら、うとうとしていると。
「………おー!良人じゃーん!」
ガラッと派手な音がして、教室のドアが開いた。
ざわっと空気が賑やかになって、誰かの声がする。
「わー良人!おはよー、インフルは大丈夫なの?」
「もう治ったっての。ったく、冬じゃあるまいし有り得ねぇよな」
「だよなー。良人がインフルなんて天変地異の前触れかなって話してたんだよこないだ」
「ふざけんなよ」
ぎゃはははは!
(…………うるさい)
きっと今のオレは、すごく不愉快な顔をしていると思う。
顔を伏せているから誰にも見られないけど。
(………寝よ)
周りが騒ごうがオレには関係ないし。誰もオレになんか話しかけてこない。
起きているだけ体力の無駄だ、と思い、本格的に寝に入る。
昨日はあまり眠れなかったから、すぐに寝付けそうだ。