我が家の家庭事情
「……あれ?アイツ誰だ」
「ああ、転校生だよ。家の都合とかで、ちょっと遅れて転校してきたんだと」
「へぇー」
……うとうとと、しかけていた時。
バンッ!
「なぁ転校生!お前、名前なんて言うの?」
いきなりの衝撃に肩が大きく揺れた。
眠りを破られて、気分が悪い。
「…………」
眉をひそめて、ゆっくり顔を上げると、オレの机に手をついて、笑顔で見下ろしてる顔。
「俺、藤村良人って言うんだ。よろしくな!」
────これが、俺とはた迷惑な良人との出会いだった。