我が家の家庭事情
地味に、目立たず静かに。
俺のそんなささやかな願いは、たったの1週間で潰えてしまった。
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ガラッ
「あ、はよ!悠斗」
「おはよう、悠斗君!」
「…………おはよう」
肩からずり下がったエナメルバッグをかけ直し、多分しらけてる顔(多分無表情に近いけど)のまま席に着く。
あの日から、クラスの奴がやたらと俺にフレンドリーだ。
その日までは、挨拶こそすれ、積極的に話しかけてくることはなかった。
「なぁなぁ松島!数学のプリントやった?!
俺今日当んだ助けて!!」
前の席の男子、古賀の名前は奴が初登校してきた事で知った。
きっとそれがなかったら、一生覚える気なかったと思う。
「やったけど。合ってるかわかんないよ」
「全然!!やってることに意味があるんだよ」
「やったの俺だけどな」
こんな風に、話すことも。
それもこれも、全てはアイツのせいだ。