我が家の家庭事情
「「…………」」
沈黙が降りる。
俺は心底困っていた。
(……どうすればいいかな)
俺が喋らないので、もちろん舞華も喋らない。
昔っから物静かで無口だった彼女のことだ。
どうにかして話を切り出さなければ……。
「……とりあえず、座れば」
「えっ」
舞華が自分の隣の地面を軽く叩いた。ここに座れ、と言いたいのか。
「あ、うん…」
言われた通りに座る。
そしてまた無言になる。
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