我が家の家庭事情

さわさわと、頬を撫でる風。


「……悪かったな」

「………え?」

小さい声に、思わず聞き逃しそうになった。
かなり遅れて聞き返す俺。

「いや、昨日。悪かった。意地悪いことをした」

「い、いやいやいや!何で舞華が謝るんだよ?!」

慌てて凭れた体を壁から起こす。


「さっき秀人と喋っててな。
竜のしたことはガキだが、私のしたことは大人げないと言われた」

「何で舞華は大人げないで、俺はガキなんだよ」

納得いかねぇぇ。
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