我が家の家庭事情
「ちょっと仕返しのつもりだったんだ。正直、ちょーっとあの時のこと根に持っててな。
竜の気を遣うような態度も何かムッとして。悪かった」
「いや、謝らないでよ。舞華悪くないじゃん」
頭を掻きながら眉を下げる。
「俺こそ、ごめん。あん時、酷いこと言って」
「いいよ。分かってる、私のこと庇ってくれたんだろ?」
「うん。でも、あの状況で言うべき言葉じゃなかったと思う」
千尋にも、そんなことしか言えなかったお前がかわいそうって言われたし。
そう言ったら、舞華がふっと口許を綻ばせた。