我が家の家庭事情
「相変わらず、千尋は手厳しいな」
(あ………)
ふっと細まる瞳に、少し下がる眉尻。
きゅっと上がる唇に、右頬にだけ出来るえくぼ。
懐かしい、八年ぶりに見た舞華の笑顔だった。
「笑った……!」
「?」
きょとんとして俺を見つめていた舞華も、
ほっと気が抜けた表情の俺を見て、同じように肩の力を抜いた。
意識していたのは、俺だけじゃなかったらしい。
「何か、同じだったみたいだ」
「本当に」
「じゃ、お互い様ってことで」
「うん」