我が家の家庭事情
千尋の俺に対する扱いは、ちょっと酷いと思う。
渋い顔をする俺を、秀人が苦笑して、舞華が目を細めて見ていた。
ちなみに、舞華はミルクティーにショートケーキを食べている。
イチゴを最後に残すところは変わっていないらしい。
秀人はストロベリーパフェにオレンジジュース。
オメーもおかしくねぇか。甘党は可愛らしいけどな。
おれはティラミスにアイスコーヒーだ。
「何か竜君ニヤニヤしてるー」
「は?してねぇし」
「いや、してたね。舞華見てニヤニヤしてたね」
「してねぇっつってんだろ!」
「ほらほら。落ち着けって二人とも。店の人に迷惑だよ」
ギャーギャー騒ぐ俺たちを止めるのは、
一番子供に見えて一番大人びている秀人の役目だ。
新しいメンツの舞華は、傍観係といったところか。
「………あれ。姉ちゃん」