我が家の家庭事情

「何言ってんのアンタ。見てみぃこの席。
四人掛けやろ!アンタら三人座らせる余裕なんかないっちゅーねん。去れ!」

「たとえ悠斗といえど、いきなりご一緒とか出来ねぇよ。別人だもん。恥ずかしいじゃん」


照れ屋かお前は。

ウブなお前が恥ずかしいわ。


「うちら今 大事な話してんの。
分かったら他の席行きぃガキんちょ」

「俺らと2つしか変わんねーだろ。何変な意地張ってんだ」


何が気にくわないのか、千尋も秀人も膨れている。舞華は普通だ。

「そうだよ良人。これじゃ狭いし、一緒したところで何すんの」


悠斗も不満そうだ。何なんだコイツら、何がそんなに気に入らないんだ。

疑問に思っていた時、俺の耳に雑な言葉がきこえた。

「うるせぇなぁ」

「………?」


え。


「お前らには聞いてねーし。舞華さんに聞いてんだ。黙ってなクソガキ」

顔は変わらず笑顔のまま、声も平淡なまま、
舞華の方を向いたまま、藤村は確実に千尋と秀人に向かって毒を吐いた。

「どぅぁれぇがクソガキじゃあああ!
お前の方が年下だろうがぁぁ!」

「頭の中がって言ってんだよ。精神年齢五歳」

「ちっさすぎるだろうがぁぁ!」

「五歳かぁ。幸せだったなぁ、何も知らなかったあの頃」

「思い出に浸るな!消え去れ秀人!」

「はぁ?!」

「そして一緒にお前も消え去れ」

「うっせぇ黙れ!」


千尋と秀人、藤村少年の口喧嘩が勃発した。

年上の威厳なくぶち切れる千尋。


これじゃホントにガキじゃねぇか。



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