我が家の家庭事情
「はぁ。困ったものだ」
「全く」
苦笑いする俺と舞華。
見ると悠斗はオロオロしている彼女(知らんけど) に首を振りながら笑っている。
なかなか良い雰囲気じゃねぇの。やっぱ女か?
「………久しぶりだなぁ」
「ん?」
「こんな楽しいの」
ポツリと呟いた舞華の口許は綻んでいる。
昔から、目を細めて歯を見せずに静かに笑うところ。
変わっていない。
「これからも楽しいよ。何せ千尋と秀人が一緒だからな」
俺もハハッと口を開けて笑う。
「アイツらと居ると飽きねーから。十年近い付き合いだけど、何も変わってねぇよ。
秀人も千尋も、舞華も」
「……そっか」
舞華は少しだけ、嬉しそうな顔をすると、瞼を伏せて相変わらず静かに笑った。
まだギャーギャー騒ぎながら喧嘩をする3人。
そのうち取っ組みあいにでもなりそうだな。
だけど傍観したまま誰も止めない。
俺の周りには、変な奴らばっか集まるようだ。
━━━━第0章・完。
(グダグダに終わりやがったなぁ)
(ホンマに)
(確実にお前らのせいだろ)