我が家の家庭事情
前髪をピンで上げ、冷たい水道水で眠気を冷ます。
水道を止め、棚からタオルを出すと、ふわふわな生地に顔を埋める。
次いで歯磨きをして、軽く髪を櫛でといたら自分の準備は完了だ。
私は化粧はしない。
高校生にもなって、とか言うヤツもいるが、
私からしたらそんなものの為に裂く時間もお金も無駄なものだ。
今からそんなものしなくても、どうせその内しなくちゃならないだろうし、
それなら尚更今からしたいとは思わない。
正直興味もない。
リビングのアイロン台の上に置かれた2着のカッターシャツ。
私と悠斗のものだ。
それを手早くアイロンがけして、シワを伸ばす。
スウェットを脱ぎ、まだ温かいカッターシャツを着込む。
自分の部屋のクローゼットから、ハンガーにつるしたスカートを取りだし、ウエストではく。
ベージュのセーターを被り、ソックスをはいたらこれで終わり。