我が家の家庭事情
「おはよ~」
のほほんとした声と共に、キッチンに人が入ってきた。
「おはよう。箸並べて」
「は~い。智華ちゃん相変わらず早いね~」
私の声に素直に応じたのは、上の妹、梨華。
松島梨華、小学四年生。
くるくる天パーの髪を、寝癖で鳥の巣のように
した梨華は、にこにこと笑いながら智華に言った。
「別に早くないよ。いいから早く箸並べて」
「うん。あ、雄くんおはよ~」
「おはよ」
空になった洗濯かごを持って戻ってきた雄大は、目をパチパチしながら、
「梨華頭すごいね」
一言いい洗面所に籠を戻しにいった。
「舞姉、二人とも機嫌悪いね。何かあったの?
」
「悠斗」
「ああ、悠兄かぁ。また何かしたんだ?」
「ベッドから落ちた」
「音スゴかったんだねぇ。智華ちゃんも雄くんも神経質だもんね~」
「梨華は目覚めなかったのか?」
「うん。慣れたよ」