我が家の家庭事情
「…………ちょっと退いてよ悠兄」
「あと5分ー」
「……とか言いながらさっきから何分経ったと思ってる?15分だよ、15分。
俺だって用意したいし。まだ顔も洗ってないんだけど。退いてよ」
「だからちょっと待てって。あとちょっとだから」
「もう聞き飽きた!」
「わっ、ちょっ押すなって。崩れる」
「悠兄の髪型なんか誰も気にしてないよ!別に必要ない身だしなみなんだから後にして!」
「必要ないって何だよー。そんなこと言ってなぁ、お前だって次期に弄り出すようになるって」
「なんないよ、ワックスはベタベタして嫌いだから!万が一しても、俺はもっと早起きしてする!」
「やっぱりしてぇんじゃ~ん」
「お前は良いから退けよガキ」
後ろからボカッと頭を殴ると「あたっ」と悠斗は声を上げた。