我が家の家庭事情
くすくす笑う悠斗は、大きく丸い瞳をキョロキョロと動かした。
「舞姉と竜兄みたいなのって、いいよね」
「……ん?」
「昔から知ってて、気を遣わなくていいの。
うまく言えないけど、何か羨ましいよ」
「…………そうかな」
昔から知ってる、か。
昔は知ってるけど、私は今の竜を知らない。
会わなかった数年の間に、竜も色々あったらしいし。
あっちだって、この数年、私がどこにいて何をしていたのか知らないだろう。
「………幼馴染みなんて、近いようで遠いもんだよ」