我が家の家庭事情
「…………そうだね」
心の中で〝分かってる〟と思いながら呟いた。
変わったのは竜達だけじゃない。
私だって変わったんだ。
…………いや、むしろ、竜じゃなくて変わったのは私だけかもしれない。
「なに気にしてんのか知らないけどさぁ」
また考え出してしまう私に、悠斗は面倒くさそうに髪をかき混ぜる。
これが悠斗が困った時にする癖であると私は知っている。
「あの三人組しか知らない8年はあるんだろうけど、
舞姉しか知らない竜兄の幼少期とかあるだからさぁ。別にそれでいんじゃないの」
何がいいのか、イマイチ分からない。
というより、悠斗の言い方じゃ、私が千尋達に嫉妬しているみたいじゃない。
(…………そういうんじゃ、ないんだけどな)
悠斗の解釈の仕方に少しだけ笑ったものの、
口下手な悠斗なりに私を励ましてくれたんだな、と。
少しだけ、温かい気持ちになった。