止まってしまった僕の時間


『白夜、動かないで。』


突然 緑が言い出した。


何がなんだか解らずに瞳だけをオロオロと動かし、目で訴える。


『ちょっとでも動いたら捨てるよ?』


捨てる…


その言葉に、僕は深い深い傷を負わされた――…






『もう、いらない こんなガキ!
早く山ん中にでも捨ててきてよ!』


怒鳴り散らす母親に

うろたえる父親



解ってる。

パパは、ママが大好きだから。


ママの望みは何だって…

叶えてあげたいんでしょう?



『ごめんな、白夜…、灰音。』


『パパぁ、今日はお山でピクニックしゅるのぉ〜?』


隣で、妹の灰音が無邪気に笑っている。


僕は握った手に少し力を入れて

泣きそうなパパに笑顔で言った。


『かくれんぼしよう!
最初はパパが鬼だよ!』


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