止まってしまった僕の時間


『妹だったのか?』


突然 緑が尋ねた。


『………………。』


言葉を発することが出来ず、僕はコクリと頷いた。


鉛筆を動かすのを止め、緑は僕をチラリと見た。


『…たった1人の、家族だった。』


『俺と一緒だな。』


緑の冷めた声に、僕は顔を上げた。


『緑も…?』


僕が見つめると、緑は眉を下げて ふっと笑った。


『ずっと家族が欲しかった。
…俺の家族になってよ、白夜。』


捨て猫のような緑を

僕は愛しいと感じた。


『…うん。』


僕が応えると、緑は優しく微笑んだ。


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