花のように
一度でいい。たった一度だけでも、貴方が私を抱いてくれたら、私はそれを糧に生きていける。
「稜ちゃん……お願い」
彼は私の願いを聞くと、辛そうに顔を歪めた。
『イヤ、言わないで』
「……ダメだよ、美亜」
『お願い、その言葉だけは稜ちゃんの口から聞きたくないの』
「美亜は、僕にとっては妹……みたいなものだから」
『呼ばないで、妹、だなんて』
「……ごめん、美亜」
私の願いは、受け入れてもらえなかった。