花のように
しっとりと夜気を含む砂の上に、俺はゆっくりと笙子を押し倒す。
その細い腰に巻き付く臙脂の帯をそっと引くと、月明かりの下、何も纏っていない笙子の白い肢体が現れた。
笙子の体を目にするたび、あまりの美しさに俺は息を飲む。
俺たちには言葉があるのに、笙子はあまり話さないから、こんなにも求めているのは自分だけなのかと、ふと不安が過る。
でも、軽く口づけを交わした後、笙子を覗くと、その瞳はもう湿り気を帯びていて、彼女も俺を深く求めているのだとわかった。