花のように



 例え1ミリたりとも俺たちの間に隙間を作りたくなくて、俺は笙子をきつく抱き締める。


 だけど、どこからともなく二人の間に砂は入り込んできて、完全に二人が溶け合うことはできないのだと思い知らされる。



 笙子が昇り詰めるたびに甘く濃くなるくちなしの香りは、俺の理性を狂わせる。


 噎せるような花の香りの中、俺は口には出せない笙子への想いを吐き出した。






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