花のように


突然後ろから声をかけられて、驚いて顔を上げると、同じ課の設楽くんが私の顔を覗き込んでいた。



「これ」



彼が手渡してくれたのは、よく冷えたミネラルウォーターだった。



「ありがとう」




私の想いを誰かに打ち明けたことはないのに。



ずっと自分の胸の中だけに秘めていたのに。




どうして彼は、私の気持ちを知っているのだろう?




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