記憶喪失Girlと浮気性Boy
鈍器で頭を殴られたように、息もできなくなるような痛みも。
もう感じることができない。
私は、慣れてしまった。
決して許されない行為をみてしまいすぎて、もう鈍器で頭を殴られただけでは足りなくなってしまったようだ。
直感的に感じた。
"あぁ、今度こそ、終わりだ。"
と。
無言で空き教室を見つめる。
2人は私に気づかない。
「ばいばい、悠真。」
私の声も、きっと誰にも気づかれない。
…はずなのに。
こんな時に限って、気づかれてしまうんだ。
「…ゆ、うか?」
私の名前を、呼ぶんだ。