失望巡りて世界は廻る
よしこのまま何も見なかったことにしよう。うん、そうしよう。

そうと決まれば回れ右ー…と、もはや現実逃避しだす4番目だったが、なんと相手の悪いことか。



「にゃにゃーんっ、どこ行くんだよぉ~?俺と一緒に遊ぼうって、なあなあなあ~」



うぜぇ……

反射的にそう口に出してしまいそうになるも、4番目は目を逸らしたまま相手をする。



「あのさあ……君ってどうして "猫" なのに話せるの?僕とおんなじ人外?」



そう、実はこのうざ………げふんごふんっ。この妙にしつこく話しかけてくるキャツの姿は、どこからどう見ても『黒猫』なのだ。

なぜ話せるのだろうか?


しかし黒猫は笑ったかと思うと、「俺は普通の黒猫じゃないんだよーんっ」と言った。次の瞬間。

< 12 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop