失望巡りて世界は廻る
地を蹴り大振りに足を回す4番目。
その爪先が ゴキイッ! と音をたてクロネコの頬に直撃した。
「っ………」
「君に何がわかるの?僕のこと、なにも知らないくせにっ、ましてやついさっき会ったばかりでしょ?
いとも簡単に、全てを変えるなんて阿呆染みたこと言わないでよっ!」
悲痛に叫ぶ4番目。肉体的にクロネコが傷ついているとすれば、4番目は精神的に傷をつけられたのだろう。
「ほっといてよ!君みたいにお気楽になれたら、さぞ楽しいだろうねえっ!
でもっ、それでも僕は変われない…っ。僕は【失望】、ただ嘆くことしか出来ないって分かってる!
だからっ……」
「それで、諦めちゃうんだ。へえー、だったら俺にゃあ分っかんないかにゃあー」
間延びた声に、ゆらりと態勢を立て直すクロネコ。