失望巡りて世界は廻る
「おっと」と言って再び地面に足をつける4番目の表情に、焦りは見られない。
「同情だと?初めて会ったやつに、それすら無礼な態度などをとる輩に同情する余地なし!
ましてや偽りの愛だと…?そう軽々しく愛を語れる年でもないだろうっ、なにを貴様は訴える?!」
「訴える?…あははっ!別に僕はわかってもらいたくて声を発してるんじゃない。
君如きに、僕を理解できるなんて思わないでよ!僕は僕にしか分からないし自惚れる奴らに伝える言葉もない!
そうやって思い込みで人を見ないでよ。だから僕は人間が嫌いなんだ。だから、僕は君たちに【失望】するんだ」
虚ろな目でゆらりと近づく4番目に、とうとう刀を構えるフェイ・ロウ。
「貴様、人外か……。成る程、躊躇する必要なし。存分に斬らせてもらう!」
「いいよ、いいよ!そうやって君は僕を傷つければいい!そしたらきっと、誰かが『可哀想』って言ってくれる!
僕に偽りの愛を少しでもくれる!」
「馬鹿者!そうやって"自分の哀れで他人を惹くな!自分の魅力で他人を惹け!"」
「!………僕に魅力なんてない。
誰にも自分だけの『特別』があるなんて思わないでよ。僕は、僕なりのスタイルがあるんだから」