【短】愛を、このカラダに焼きつけて。
爽介くんの隣を通り過ぎようとすると、
「待ってくださいっ!」
爽介くんが、グイッと私の手を引っ張った。
「爽介くん…?」
「終電…もう、ないです。」
「わかってるよ?
だから今日はホテルに泊まろうと思って」
「……宿泊代、俺が払います」
「えっ…」
それ、お詫びのつもり?
でもさすがに、この辺のホテルの宿泊代となると…
新入社員にとってはかなりの痛手。
「いいよ、そんなの!
逆に悪いよ!」
「……でも…」
「だから、また今度奢ってくれれば…」
「……っ」
ちょっ……
爽介くん、何で泣きそうになってるの!?