何でもない言の葉





空気が揺れる
口角がふわり、綺麗に上がる
幸せそうに微笑って
私をしっかり抱き締めて
温もりとドキドキが直に伝わる

私の耳は不良品

大事な愛の告白も
愛しそうに響く私の名前も
なにも、なにも聞こえない

なのに君は今日も言う
「好きだよ」「好きだよ」「好きだよ」って

だから私は今日も言う
「嫌いだ」「嫌いだ」「嫌いだ」って

だけど私に音はない
だから思っても伝わらない

温かい君の腕の中
涙だけが込み上げる

あぁ、思い切り叫びたい
本当は私も君が好きだって





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