俺ら参上ッッ!!
*恋一side*
「んー、こねーなー」
朝、オレはいつもひかりが通る道で待っていた。
7時半から待ってもう30分…
ひかり、先行ったんかな…
いや、アイツに限ってそれはねぇよなぁ
玖白はオレに気ぃつかって、先に学校に行ってくれた。
アイツもキザだなぁほんと…
「…来ねぇし…行くか」
オレが歩き出した時だった。
「ハァ…ハァ…」
勢いよくオレの隣を金髪のお兄さんが走って行った。
そして青果店に入って行った。
あんなに急いでどうしたんだ…??
疑問に思いながら、オレは青果店を通りすぎた…んだけど、気になったから近くまで行ってみた。
「オバサンオバサン!!」
「あら、いらっしゃい雅哉くん
久しぶりねぇ」
「オバサン、柑橘類の果物いっぱいくれ!!」
「ど、どうしたの雅哉くん?
ずいぶん急いでるみたいだけども…」
「ひかりが…風邪引いたんだ!!」
は!!?
今ひかりって…
「あら、それは大変ねぇ…
はい、どうぞ」
「サンキューオバサン!!」
雅哉という人は急いで店を飛び出した。
今ひかりって言ったよな!!
「あ、あの!
そこの兄さん!」
「あ゛!?」
すごい形相でオレの方に振り返った。
「オレ急いでんだよ!!
なんだよガキ!!」
あ?ガキだぁ?
…やべやべ、イライラしてる暇じゃねーや
「ひかりの友達です!
ひかり、風邪引いたんすか!?」
「ひかりのダチ!?
お、ちょうどいいじゃねーか!」
雅哉さんはオレのところに走ってきて、果物が入ったビニール袋を渡した。
「お前、ひかりん家に行ってこれ届けてこい!!」
「え!?」
いや、ひかりのこと心配だけど…
なによりも…
「オレ、家知らないっす」
「はぁ!?クソだな!!」
雅哉さんはそう言って、紙とペンを取り出して何かを書いた。
「はい地図!!
オレ薬買ってくっから、それよろしくな!!」
「は、はぁ…」
雅哉さんはそう言って、また勢いよく走って行った。
「それにしてもこの地図…」
雑だなおいっっ!!