俺ら参上ッッ!!
-午後5時-
陽はだんだん暮れて、夕方になっていた。
「もう5時かぁ…早いなぁ」
「だなー…」
最初の頃よりは手を繋ぐのも慣れて、居心地がよくなっていた。
「ひかり、遊園地行くぞ!」
「へ!?今から!?」
突拍子もないことを言うのが恋一なのは知ってるけど…いきなりすぎない!?
「ほら!行くぞ!」
「こ、恋一っ!!」
-遊園地-
「……」
「……」
せっかく来たのはいいものの…
「閉まってんな…」
「そうだね…」
ガーン
まさか閉まってるなんて…!
最悪だなぁ…
「…悪ぃな、走らせて…」
「ん、いいのいいの!
遊園地入れなくて残念だね…」
「あぁ…」
私達は近くの公園のベンチに座った。
「…ねぇ恋一」
「ん?」
「なんであんなに必死に?」
素直な疑問だった。
「…なんか改まると恥ずかしいもんだな…」
恋一はちょっと顔を赤らめて言った。
「いや…さっきな?
今日遊園地でイベントやってんの思い出してさ」
「なんのイベント?」
「そ、それはな…」
ん…??
「…今日、さ
告白の日らしくてな…??」
「こ、告白!?//」
な、なななななな!!//////
「ん、んで…さ
観覧車乗っててっぺんについた時に言うと叶うらしくてな」
そ、そんなイベントが遊園地にあるんだ…
私は頭が混乱していた。
「下心見え見え…だな
悪ぃ、ほんと」
「そ、そんなこと…」
むしろ…
むしろ私は…!!
「う、嬉しいよ!!」
「へっ…」
恋一は顔を上げて、驚いた顔をした。
「恋一、今日ずっと私のこと考えててくれたんでしよ?
すっごく嬉しいよ!!」
「ひかり…」
私はとびっきりの笑顔を恋一に見せた。
私自身、ここまで思われたのは初めてだったから…
ほんとに嬉しかった。
「お前…ほんとバカだろ」
「え…こう…」
私の言葉を遮るように、恋一は私にキスをした。
「!?//」
キスは初めてのはずなのに…なぜか懐かしい感じがした。
こう…いち…
私はすんなり恋一を受け止めていた。
「…ひかり」
「な、なに…??」
「もっかい…いい?」
「…うん」
もう一度、今度はちょっと強く私にキスをした。
おかしいな…私、九条くんのこと好きなはずなのに…
恋一に惹かれてる…
「…うわ、やべー
止まんなくなる」
「も、もう!恋一のバカ!」
私は恋一をイタズラっぽく突き放してみた。
「悪ぃ悪ぃ!
帰るか!」
「うん!」
また手を繋いで、私達はすっかり暗くなった夜道を歩いた。
私…もしかして恋一のこと…