俺ら参上ッッ!!


-学食-


うわぁ…こんなに混んでるんだなぁ…!

人混みは苦手だけど、なんだか新鮮だった。
そして相変わらずの視線。


「さーて、今日はひかりが学食初めてだっつーし、奢ってやる!」

「え!?
いいの?恋一…」

「これくらい普通だっつの!」


恋一はニカッと笑った。


「ありがとう!」

「ほいじゃあ何食うかなー」

「うーん、いろいろありすぎて迷う…」

「そうだな…」


和食か洋食か中華か…
まずそこからかな


「私は安定のエビフライ定食ー♪」


美沙は券売機のところに早くも並びに行った。


「ど、どうしよう…」

「うーん、じゃあオレとんこつラーメン食うかな!」

「俺はフォアグラ定食」

「なんじゃそりゃ!?」


そんな定食もあるんだ…
うーん、私はどうしよう…
あ!


「ろ、ローストビーフ定食ってある!」

「ひかり結構ガッツリ食うんだな…」

「意外だ…」

「私ローストビーフ大好きなんだ!」


まぁ、龍進のしか食べたことないんだけどね!

私達は券売機に並んで注文をすませた。


「それにしても…」

「席、ないな…」

「困ったね…」


みんな座ってて、座る場所がなくて困っていた時だった。


「先輩方!
私達終わったので、そこの席使ってください!」

「どうぞ!!」


女の子達はちょうど四人で、席も四つ空いた。

ラッキーだ!


「ありがとう、恩に着る」

「ありがとう!」

「サンキューっ」

「ありがとね」

「キャー!会長カッコいい!」

「ひかり先輩かわいすぎ!」

「副会長もヤバい!」

「美沙先輩近くで見たらさらに綺麗!」


あはは…
なんかアイドルみたいだ。

ずっと私が憧れていた三人。
三人とも人気だったから遠かったけど…
今は仲間に入れた。
それが何よりも嬉しかった。


「さてと、席もとったしー
飯取りに行くぞ!玖白!」

「あぁ」


二人は私達の分も取りに行ってくれた。


「ねぇねぇひかり」

「ん?」

「あの二人いないから相談なんだけどね…??」

「どうしたの?」


美沙はちょっと頬を赤くして言った。


「ワタシね…雅哉さんのこと、好きみたい」

「えぇぇ!?」

「声おっきい!」


あ、つい…
雅哉のことが好き!!?


「た、確かに雅哉イケメンだし優しいけど…
女グセ悪いし、酒グセ悪いしチャラいし…
あんまりオススメできないような…」

「そういうとこも含めて、好きなんだ」


美沙の顔は完璧に恋する乙女の顔をしていた。

友達ならそりゃ応援したい!


「うん!
私が協力するよ!」

「ほんとに!?」

「うん!もちろん!
雅哉のことはいっぱい情報持ってるよ!」


一番兄の中で話する人だし!


「ありがとうひかりー!!」

「いえいえ!」


美沙が恋してくれてるのも嬉しいし!

すごく幸せな気持ちになった。






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