俺ら参上ッッ!!


-花火大会当日-


「……」

「あー楽しみだな!」

「なんで俺まで…」

「久しぶりだなぁ花火大会なんて!」


……なんでこうなっちゃうかな…

花火大会の場所で三人と待ち合わせしていたのはいいものの…
邪魔者が私にくっついてきた。


「よー!ひか……え」

「遅いぞひか……は」

「ひかりー!
っえぇぇ!!?」


みんなが驚くのも無理はない…
なぜかというと


「なんで秋斗雅哉龍進ついてくんのよ!!!!」


そう、兄三人が私についてきてしまった。


「あ、あははー…
まぁ、いんじゃね?」

「…来てしまったものは仕方ないな」

「雅哉さんいるしいいかもー♪」


ほんとにごめんねみんな…

ちょっと涙目になりながらも、花火が始まる前に7人で夜店を見ることにした。


「おい龍進、酒でも飲んでくか」

「お、秋斗珍しいね!
玖白くんも行くよ!!」

「え!?
俺もですか!?」


玖白は強引に秋斗と龍進に連れられて行ってしまった。

あはは…ごめんね玖白…

苦笑いしながら、今度は四人で歩いている…つもりだったのに


「ありゃ?
雅哉さんと美沙がいねー」

「う、嘘!?」


いつの間にか二人もいなくなっていた。


「せっかくみんなで来たのに…
バラバラじゃない」

「まぁまぁ、いんじゃね?」


ガックリしている私を、優しく恋一は頭を撫でてくれた。


「オレは…ひかりと二人きりになれてラッキーだと思ったけど?」

「…!」


そういえば二人きりなんだ…!
それに私達…付き合ってるんだもんね…

今さら実感する私。


「行くぞ?
何か食うか!」

「うん!」


私達は驚くほど自然に手を繋いでいた。
もちろん恥ずかしいけど、嬉しさの方が勝っていた。

夜店をいろいろ見て回るうちに、花火が始まる時間になっていた。


「おっやべ!
急ぐぞひかり!」

「うん!」


買った綿アメを持って、私達は急いで会場に向かった。


ドーーーーーン


「ちょうどよかったみたいだな!」

「そうだね…!」


綺麗だなぁ花火…

そう思っていた時、いきなり握っていた手が強くなった。


「どうかした?恋一」

「あ、いや…
今お前がここにいるってこと、実感したくてさ…」


恋一…?


「ひかりがほんとにオレの彼女なんか実感わかなくてさ!」


恋一もそう思ってたんだ…


「私も一緒の気持ち
まだ恋一が彼氏って実感わかなくて…」


そう言ったら、恋一は暗いのにわかるくらい顔が赤くなっていた。
つられて私も顔が赤くなった。


「お前は正真正銘オレの彼女だよ…ひかり」

「…うん」


ドキドキが増した。


「なぁひかり…」

「なに…??」


真っ直ぐな瞳で私を見る恋一。
いつも以上にかっこよく見えた。


「実感わかないなら…キスしていいか?」

「!!?////」


き、キス!?//


「ひ、人がいるし…!//」

「関係ねーよ、んなの…」

「こうい…っ!!////」


私の言葉を遮るように、恋一は私にキスをした。
キスをした瞬間、花火がドラマのように上がっていた。


「ひかり…好きだ」

「私も…好き」


また顔を近づけて…
どっちからでもなく、自然に私達は二度目のキスをした。
胸がドキドキしてどうにかなりそうだけど、それさえ心地よく感じた。

私ほんと恋一のこと好きなんだなぁ…


「…あ、ひかり
一つ言い忘れた」

「なに?」


そう言うと、恋一は私の耳元で囁いた。


「…浴衣、すっげーかわいい」

「!?/////」


は、恥ずかしい!!///


「ついでに言うと…他のやつなんかに見せんのがもったいねー
つか、ヤダ」

「恋一…」


私はすごく恋一が愛おしくなって抱きしめた。


「ひ、ひかり!?//」

「大好き恋一!」

「…バーカ」


少し恋一は笑って、またキスをした。

すごく幸せ…

今までで一番楽しくて幸せな花火大会になった。






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