俺ら参上ッッ!!
夏休みッッ!!
*ひかりside*
あっという間に7月の終わりになって……
もう夏休みに入ろうとしていた。
時間経つの早いなぁ
「ひかり!
やっと夏休みだな!」
HRの時、恋一が振り返って私に話しかけた。
恋一はキラキラした笑顔で、すごく楽しそう。
そういえば私達付き合ってるんだ…
今さらまた恥ずかしくなる私。
夏休みにいっぱい遊んだりできるかな?
恋一といろんなところに行きたい!
心の中でそう思っていた。
「なぁひかり」
「へ?」
玖白はいつも通り冷静な顔で私に話しかけた。
「夏休み…俺と恋一と美沙と四人で過ごさないか?」
「い、いいの!?」
私は自然と席を立っていた。
みんなの視線が私に集まる。
は、恥ずかしい…//
大人しくまた席についた。
「ふっ、ひかりそんなに嬉しいのか?」
「も、もちろんだよ!
大好きな三人と一緒に過ごせるんだもん!」
「ははっ!」
恋一は照れながら笑っていた。
その笑顔を見たらとても幸せな気持ちになった。
「ククッ…やりがいがある」
「…?」
玖白は口角を上げて不適な笑みを浮かべていた。
な、なんかいつもと玖白の様子が違う気が…
「玖白っ、もう言っていんじゃねーか?」
「そうだな」
な、なんの話だろ?
「実はなひかり…」
キーンコーンカーンコーン
玖白が喋りだした時、チャイムが同時に鳴った。
「おっと…
続きは放課後な?ひかり」
「えぇ!?」
うー、気になるー…
放課後になるまでの間、私は玖白と恋一の言葉が気になって授業が頭に入らなかった。
――放課後
やっと放課後だ!
「さてとひかり、場所移すぞ」
「喫茶店に行こーぜ!」
「美沙!行くぞ!」
「はーい!」
こうして、四人で喫茶店へ向かった。
-喫茶店-
「それで本題だ、ひかり」
「は、はい!」
私の前に美沙、美沙の隣に玖白、隣に恋一が座っていた。
「これ見てみろ!」
そう言って恋一は1冊のノートを私に見せた。
夏休み…企画?
大きく見出しがあった。
お世辞にも綺麗とは言えない字だったけど、なんだか温かみを感じた。
「中見てみろよ!」
ニコッと恋一は笑った。
美沙はワクワクした表情をしていて、玖白は相変わらず口角を上げていた。
私は中を開いてみた。
夏休み一日目…玖白の別荘へ行く。
べ、別荘!?
「玖白、別荘なんてあったの!?」
「あぁ、まぁな」
お、お金持ちだったの忘れてた…
玖白のお父さんは大手企業会社の社長さん。
お母さんは美容院を経営している。
「別荘ってどこにあるの?」
「ん?沖縄」
玖白はサラッとそう言った。
「お、沖縄!?」
「おう、遠いが気にするな」
いや気にするよ!
旅行なら交通費とか食事代とか…
私お金が…
「…ひかり思ってること丸見え!」
美沙は少し笑った。
「心配すんなひかり!」
自信満々に恋一は笑う。
し、心配するよ!?
「…ひかり」
「はいっ」
「俺達が最近…よく帰り一緒じゃなかったろ?」
そういえば…
でも何か関係してるの?
「オレ達さ?
ひかりを喜ばせたくて、交通費とかお土産代とかバイトして稼いでたんだよな!」
「えぇ!?」
そうだったの!!?
「大変だったなぁ時給いいとこと日給のとこ探して!」
「そうだな
久しぶりに張り切った感じだった」
みんな努力してお金貯めて…
でも私何もしてないよ…
「なんで言ってくれなかったの?
言ってくれたら私だってバイトしたのに…!」
「だから言ったろ?
ひかりを喜ばせたかったって!
驚いて欲しかったんだよ!」
「ドッキリみたいにね♪」
「それに…申し訳ないと思われると俺達傷つくぞ?」
みんな…
何かわからない熱い感情が身体全体から溢れてきた。
「みんな…大好き!」
「みんな!?」
恋一はちょっとふてくされた顔をした。
「みんな…か」
「おい恋一、妬くなアホ」
「そうだよ!」
「うっせー!」
ちょっと顔が赤くなった恋一。
それがとても愛おしかった。