俺ら参上ッッ!!
「それにひかり、この提案をしたのは恋一なんだぞ?」
「そうそう!」
恋一が…??
「おめーら恥ずかしいこと言うなよ…アホ」
頭をガリガリ掻いて、そっぽを向いてしまった。
「恋一、言ってやらなきゃひかりがわかんないだろ」
「…知ってる」
納得いかなそうな顔をしながら私の方へ恋一は身体を向けた。
「ひかりオレな、お前と二年間も思い出ないから…
今年の夏休み、いっぱい楽しいこと一緒にしたくてよ…」
「恋一…」
恋一の真剣に私のことを考えてくれていたことに、すごく胸が熱くなった。
実際私は今まで楽しい思い出なんてないし、逆に楽しくなさすぎて嫌だった。
だけど今年…いろいろ奇跡が起きて、今ここにいる。
恋一の彼女にもなれて、優しくしてもらってる。
これ以上望んでもいいのか、すごく不安になった。
「すごく嬉しいよ…でもね…」
三人の視線が一気に集まった。
「私…ここまで幸せでいいのかなって…
すごく不安になって…」
幸せでいいはずなのに、胸がキューっと締め付けられて痛かった。
「バーカ」
「いたっ」
恋一は膨れっ面で私の頭を軽くコツっと叩いた。
「そんなこと気にしてんのか。
それに、こんなんで不安になってたら先持たねーぞ?」
「そうだよひかり!
まだまだいっぱい!!」
「…こんなの序の口だ。
俺達が…お前のこともっと幸せにしてやるよ」
そう言われて、涙が急に溢れてきた。
「泣くな…ひかり
オレはお前に笑ってて欲しい。
だから…笑顔見せてくれよ?」
恋一…
何度恋一…いや、玖白や美沙にも助けられただろう。
私はほんとに毎日幸せで、今までにない素敵な日々だ。
充分なのにこれ以上も幸せにしてくれるなんて…
「みんなありがとう…!」
涙は自然と止まっていて、笑顔になれた。
「そう!
ひかりの笑顔頂き!」
恋一はそう言って私の頬にキスをした。
「こ、恋一!?////」
「あーわり、つい!!
ひかりがあんまりかわいいからよ…」
「「……」」
玖白と美沙はちょっと呆れた顔をしていた。
「まったくお前らは…」
「イチャイチャしすぎぃ!!
ワタシもひかりとイチャイチャするー!」
「バッカ!!
オレが許さねー!!」
「あははっ」
やっぱり四人でいると楽しい。
一年生の時からこうだったら…もっと私違ったかな?
そう思いながら、ノートの次のページをめくってみた。
「……え?」
めくったのはいいんだけど…
白紙!?
どれだけページをめくっても、白紙だった。
「おい玖白!!
お前、1人でプラン考えたいっつったからノート渡したのに白紙ってどーゆーことだよ!?」
「そうだよ玖白!
何考えてるの!?」
あ、二人も白紙なの知らなかったんだね…
恋一と美沙も私と同じくすごく驚いていた。
「フッ…まぁ焦るな」
いつものように玖白はクールに笑った。
「なんか考えあんのかよ!」
「もちろんだ。
だけど…それは沖縄行ってから伝える」
「「「え!?」」」
私と恋一と美沙の声が重なった。
ど、どういうこと!?
「そっちのが楽しいだろ?
フッ」
何かを企んでいるような玖白の笑みに、ちょっとだけ戸惑いを覚えた。
玖白、いったい何する気なの?