俺ら参上ッッ!!
「最高ー!!」
「キャー気持ちいい!」
海に着いた瞬間、玖白と美沙は水着になって海へ入った。
わ、私も入りたいんだけど…
「ひかり行かねーの?」
キョトンとした顔で恋一が私の顔を覗く。
いつの間にか恋一も水着になっていて、初めて見る恋一の身体にドキドキした。
こ、恋一って細いだけだと思ってたけど筋肉もあって…
カッコいい…
「ひかり…あんま見んなよ…
は、恥ずかしいだろ!」
少し頬を染めて恋一はうつむいた。
暑いせいじゃなく、照れている恋一がとても可愛い。
「ご、ごめんなさい!//」
つられて私も赤くなってしまった。
「いや、いんだよ!
つか…オレ早くひかりの水着姿見てーんだけど…」
「へ!?」
い、今水着姿見たいって言った!?
は、恥ずかしいよぉ…
今度は私がうつむいてしまった。
「ほ、ほら…海にも入れねーしさっ
玖白と美沙も呼んでるし…な?」
「う、うん…そうだよね…」
私は恐る恐る上に着ているパーカーのチャックを開けた。
パーカーを脱いだ瞬間、恋一は目を真ん丸にして固まった。
「ど、どうしたの?」
「……あ!やべ!
ひかりがかわいすぎてつい見とれてた…」
「!?////」
恋一はいつも不意にドキッとするようなことを言ってくる。
恋一といたら心臓何個あっても足りないよ…
「オレいつも気軽に抱きついてても細いって思ってたけど…
やべー…細すぎてオレが触れただけで折れそうだ。
華奢だな、ひかり…かわいすぎ」
「も、もう!見ないで恋一!//
行くよ!」
「お、おいひかり!?」
無理やり恋一を引っ張って海へ向かった。
美沙は「ひかりかわいすぎ!」と言ってくれた。
玖白は「やべぇ…ひかりスタイルそんな良かったのな…」とまじまじと私を見た。
「見んな玖白!」と恋一は玖白にかかっていって、相変わらず二人でじゃれあい。
そんな姿を見ていたら自然と笑顔になった。
「ひかり!浮き輪あるぞ!」
「あ!ありがとう恋一!」
「ワタシもひかりと浮き輪使う!!」
恋一から浮き輪を受け取って、美沙と海でプカプカ浮きながら雑談して過ごした。
恋一と玖白はビーチバレーをやっていた。
「ねぇひかり!」
「ん?」
「ワタシね…玖白と付き合うことにしたんだ!」
「ほ、ほんと!?」
美沙は幸せそうにうんと頷いた。
「雅哉は!?」
「雅哉さんには花火大会の時フラれちゃってね…
玖白がその後告白してきて、その時は考えてみるって言ったんだけど、いつの間にか好きになってて…」
美沙は雅哉のことを好きだった時以上に乙女な顔をしていた。
「おめでとう!」
「ありがとう!!」
すごく嬉しかった。
玖白はいい人だし、すごく信用できて…美沙を大切にしてくれる人だ。
だからすごく安心できる。
雅哉だったらきっといつも私は浮気とか気にしちゃうし、美沙も傷つくことも多かったはず。
私は心の中で「玖白…美沙を守ってあげてね」と言った。
「…雅哉のやつ、一回絞めないとね」
「ひかり怖い怖い!!
なんか恋一に似てきてるし!」
大声で笑う美沙。
恋一に似てきてると言われて少し照れてしまった。
「「俺(オレ)ら参上ッッ!!」」
タイミングいいんだか悪いんだかわからないけど、恋一と玖白が私達のところに来た。
「なんか今オレらの話してなかった?」
「美沙がなんか大声で恋一の名前言ってたよな…妬ける」
玖白は少し膨れっ面になった。
く、玖白ってこんな表情するんだ…!
それは美沙が引き出していて、相当美沙が好きなんだなぁと思わせた。
「いや!なんでもないよ!
ただひかりに玖白と付き合ってるんだよーって報告してただけ!」
「そうそう!」
「そうだったのか」
「……は??」
恋一がすごく驚いた顔をしていた。
あ、あれ?
もしかして…
「恋一…玖白と美沙付き合ってるの知らなかったの?」
「知らねーよ!!
玖白どういうことだよ!?」
恋一は必死に玖白の肩を両手で揺さぶる。
すごく動揺していた。
「あ、いや
今日言うつもりだったんだ」
「もっと早く言えよな!
マジビックリしたじゃんかよ!」
はははと玖白と美沙と私は笑った。
みんな幸せになってるんだ。
良かった…!!