俺ら参上ッッ!!



――その日の夜


「いつ見ても綺麗…」


みんなで雑談をしていたら夜中になっていて、それぞれの部屋に戻って就寝タイム。
私はなかなか寝れなくて窓から夜の海を見ていた。


「ここにずっといたい…」


ふと心から出た言葉だった。


ピロリロリ♪


いきなり携帯が鳴った。

誰からだろう…??

携帯を開いたら、恋一からのメールだった。

<ひかり起きてるか?
起きてたらひかりの部屋に行ってい?>


「恋一まだ起きてたんだね」


すぐ<いいよ>と返信した。

ちょっと経ってから恋一の部屋のドアが開く音がして、私の部屋に入ってきた。


「わりぃな、起こした?」

「ううん、寝れなくて」


二人で玖白と美沙が起きないように小声で話す。
なんだかおもしろかった。


「オレも寝れなくてさ
ひかり起きてっかなーと思って。
話したかった」


私達はベットに並んで座りながら話をした。


「今日楽しかったなー
フラッシュバックするんだよ」

「私も…
1日目からいろいろ楽しくて、一週間も続いたらもっと幸せなんだろうなぁ」

「だな」


二人で窓から見える海を見つめた。
ふと恋一を見てみると、月明かりに照らされていつもと違うように見えた。

恋一…夜だと雰囲気違うかも…
髪型のせいもあるのかな?

恋一はいつも髪をセットしているけど、今日は夜だしお風呂上がりだからか髪がぺったんこでかわいい。
海に入ってた時は髪を濡らさないようにしてたから。


「……ん?」


私の視線に気づいたのか、恋一は少し笑って私を見つめた。


「どーした?」

「ううん、なんでもない
ただ…恋一いつもと雰囲気違うなーって」


素直な感想を言ってみた。
恋一は「雰囲気…??」と言って難しい顔をした。
そして何かに気づいたのか、いきなり顔を赤くした。


「おっ、お前まさか…髪のことか!?」

「う、うん…」

「やっべーーー!!!!」


恋一は慌てて私のベットの中に潜り込んだ。


「どうしたの?」

「い、今オレ髪セットしてねーし、カッコわりぃから!!//」


なんだ、そんなことか!


「私はぺったんこな髪の恋一も好きだよ!
かわいくて」

「……なんか複雑だ」


少しふてくされて恋一は布団から顔を覗かせた。
それがかわいくて仕方なくて、つい頭を撫でてしまった。


「……気持ちいー」

「そう??」

「ん…すげーあったけぇ…」


そう言うと、恋一は強引に私の腕を引っ張って布団の中に入れた。

こ、恋一が近いっ!//


「コッチのがもっと落ち着く…はずなんだけど、すげードキドキする」


腕枕されている私は恋一の鼓動が近くて、すごくドキドキしているのがわかった。

恋一が私にドキドキしてくれてるんだ…

きゅっと恋一の服を握りしめて、私は少し恋一に近づいた。


「ひかり…??」

「すごく幸せなんだぁ…
それに夜一緒にいるのなんて初めてだもん…」

「そーだな…」


恋一は優しく私を抱きしめた。
温もりが伝わってくる。
いつもの恋一の匂いがする。


「ひかりいー匂いすんな…」

「もう…」


こんなたわいもない会話ですらドキドキする。


「なぁひかり…
ちょっと危ねーんだけど」

「え?何が?」

「……オレだって男だ
ひかりのこと…抱きたくなる」

「!!?////」


一気に顔が赤くなるのが自分でわかった。
そして身体も尋常なくらい熱い。


「こ、心の準備がっ…//」

「ん…知ってる
無理やりなんてやらねーよ」


優しく笑って頭を撫でられた。

恋一…


「でもいつかは…オレに全てを見せる覚悟しとけよ?」

「うん…」

「それじゃあ代わりにキスな?」

「……うん」


優しいいつもの恋一のキス。
胸がいっぱいになる。


「ん…」


自然と吐息が漏れる。
優しいキスはだんだん激しくなって…
息苦しくなるけど、恋一でいっぱいになってすごく好きなキス。


「…はぁ……
ずっと…ひかりとキスしてたい」

「私も…」


どれくらいキスしただろ?
数えきれないくらい、1日目の夜にキスをした。
キスじゃ表せないくらい、私は恋一への好きが溢れた夜だった。







< 53 / 98 >

この作品をシェア

pagetop