俺ら参上ッッ!!

*ひかりside*



楽しい時はあっという間に過ぎて、もう帰る日になっていた。


「はぁ…寂しいなぁ」


窓から見える海を見ながらボソッと呟いた。
寂しいのは旅行が終わってしまうのもそうだけど、きっとこの別荘を離れるのも。
私にとってはすごく居やすくて落ち着いて、素敵な場所だ。

そんなことを思っていたら、恋一が私の部屋に入ってきた。


「ひかりー行くぞー!!」

「あ!うん!」


後ろ髪を引かれながらも、私は部屋を後にした。


「さて、最後だな
なんかお土産買いに行くか」


玖白が案内してくれたのは、別荘の近くにあった大きなショッピングモール。


「こんなとこにこんな大きいショッピングモールあったんだ!」


美沙はすごく目をキラキラさせていた。

美沙ショッピング大好きだもんね!

私は美沙と仲良くなってから、よく二人でショッピングしていたのを思い出した。


「それじゃ、俺は美沙と回るから恋一はひかりと回れ」

「オッケー!」

「集合時間はここに1時な
それじゃ」


今は10時。
後三時間かぁ…


「ひかり気をつけてね!」

「うん!」


玖白と美沙に手をふった。
二人はすぐに手をを繋いで、仲良さそうに歩いて行った。

あれ?
前より仲良くなってる気がするのは私だけ?

不思議と恋人同士よりも、夫婦に見えた。


「なんかアイツら妙に仲良くなってねーか…」

「うん、私もそう思ってた…」

「オレらも負けてらんねーな!」


恋一はそう言って、ギュッと私の手を握った。
しかも恋人繋ぎ。


「よし!行くか!」

「うん!」


私達だって負けてないからね!

変な対抗心を二人で燃やしていた。








-カフェ-


ちょっと回って疲れたから、美味しそうなカフェに入って休憩タイム。

まだ二時間ある!


「それにしてもでっけーな…
疲れる」

「確かに…いろんなとこがありすぎて目移りしちゃうよね」


私も恋一も苦笑いだった。

大きいのはいいけど、初めてで見て回るのは疲れるなぁ…
あ、そういえば!


「ねぇ恋一!
さっきね、沖縄のちゅら玉のアクセサリーショップあったんだ!」

「おー、そうなのか?」

「うん!
後で行ってもいい?」

「もちろん!」


ニコッと笑う恋一は、この一週間で一番眩しかった。




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