俺ら参上ッッ!!
赤髪姉弟ッッ!?
*ひかりside*
あっという間に夏休みは過ぎて、2学期が始まった。
「おはよーひかり!」
「おはよ!」
いつも通り校門で美沙と待ち合わせ。
雅哉もそばにいる。
なんだかまだ気まずいみたい。
「はよー!!」
「おはよ」
待っていた恋一と玖白とも合流して、玄関へ向かう。
途中で秋斗と龍進とも会ったから、一緒に行った。
「もう新学期かー
はえーなー」
「そうだねぇ」
靴を履き替えながら恋一と話す。
久しぶりに学校に一緒に登校したせいか、前みたくドキドキしていた。
「キャー!!
会長と副会長ーー!!」
新学期になっても恋一と玖白の人気は絶えない。
逆に前より黄色い声がする気がするくらいだ。
「ひかり先輩なんか雰囲気変わったね!?」
「前よりかわいくなった!!」
「美沙先輩も髪型変わったのかな?
すごく綺麗!」
あはは、ついでに私と美沙も言われちゃった。
アイドルみたいな扱いは相変わらず変わらない。
「ねぇねぇ、“イケツ”同じブレスレットしてない!?」
「あ!ほんとだー!!
うらやましいー!!」
“イケツ”とは、全校生徒が勝手に私達四人を“イケてるメンツ”の略で呼ぶ。
勝手にグループ名まで決められてしまってるけど、悪い気はしなくて、むしろ嬉しかったりする。
「あ…副会長とひかり先輩ペアリングしてない!?」
「やっぱりそうだったんだー!!
キャーうらやましい!!」
「なんか嫉妬じゃなくて…普通に応援できちゃう」
あはは…バレちゃったかー
まぁ時間の問題だし、いっか!
胸を張ってニコニコしながら歩いていたら、恋一がいきなり私の手を握った。
「こ、恋一!?」
「バレてんだからいーだろ?
悪い虫もつかねーだろーし!」
自信満々に笑う恋一。
つられて私も笑顔になった。
なんか…嬉しいな、こういうの
「あ、“イケ先”と雅哉先輩も集まってる!!」
またまた解説。
“イケ先”とは、“イケてる先生”の略で、秋斗と龍進のこと。
「あれ…イケ先と雅哉先輩おんなじネックレスしてない…??」
「ほんとだ!!
あ!ひかり先輩もじゃん!!」
「仲いいんだねー!!
すごーい!!」
今度は私達家族の噂。
秋斗は少し照れていて、龍進は満面の笑み。
雅哉は私の肩に腕を乗せて、「うらやましいだろー!」と自信満々に笑った。
なんか新学期早々騒がしいけど、楽しいし…悪くないかも!
そう思っていた時だった。
「へー、ずいぶん目立ってるんだぁ恋一」
「新しい恋人もいるみたいだしな」
「ふーん…あの女かぁ」
どこからか視線を感じる。
少し嫌な予感がした。
「ねぇ恋一…」
「んー??」
「なんか…嫌な予感がする」
恋一は「んなことねーって!」と笑顔のまま。
キャーキャーしている廊下の中、奥の方から感じるみんなと違う視線。
「俺は…ひかりと同じだ。
なにか胸騒ぎがする」
「玖白…」
玖白も私と同じ気持ちらしい。
少し顔を歪めた。
何だろう…
その嫌な予感が当たってしまうなんて思ってなかった。
「久しぶりだね、恋一」
「え…」
私達の前に現れた二人。
女の子と男の子。
女の子の方が恋一の名前を呼んだ。
「り…こ……」
恋一は目を見開いて固まった。