俺ら参上ッッ!!
-次の日-
重い足取りで学校へと向かう。
いつも通り雅哉と車で学校に行って、校門で美沙を待っていた。
「おはよ、ひかり!
雅哉さんもおはよ!」
「おう!」
美沙と雅哉は仲が戻って、いい友達になったみたいだ。
「あれ、玖白が1人で来てる…」
美沙の視線の向こうには、確かに玖白が1人で歩いている。
「いつも恋一と一緒なのにどーしたんだろーな」
「ケンカかなんかしたんじゃない?」
笑い合う二人。
そういえば美沙と雅哉は状況をわかっていない。
玖白は…わかってるのかな。
「おはよう」
「おはよー玖白っ!」
毎朝恒例の二人の腕組み。
いつもは幸せそうって恋一と笑って対抗したりしてたけど、今は笑うことすらできない。
隣に恋一がいないから。
「おーいひかり!
置いてくぞ!」
「…へ?
あ!待ってー!」
気づいたら三人は10mも先にいた。
急いで三人のもとに駆けつけた時、後ろがざわざわしていた。
「なんだ…?」
「なんだろ…」
「んー??」
四人で振り返ったら、そこには恋一と莉子ちゃんが腕組みしながら歩いている光景が目にうつった。
「……」
何も言えなくてただ立ち尽くすしかできなかった。
「え!?
あれ昨日の城条莉子でしょ!?」
「なんで副会長と腕組んでるの!!」
周りの生徒がみんなざわつく。
二人は気にしないで楽しそうに笑っていた。
「おい、なんだよアレ…」
「なんで恋一が莉子といるのよ…」
雅哉と美沙はすごく驚いた顔をしていた。
「……」
玖白は眉間にシワを寄せて、険しい顔をした。
「ひかり…どういうことだあれは」
「え…」
玖白にストレートに聞かれて戸惑う。
どんどん近づいてくる二人に足がすくんだ。
「どうなってるんだ…
なんで莉子といるんだよ!!」
玖白は拳を握りしめて、二人を睨む。
怒りが伝わってきた。
「ひかり、何か言え」
「私…恋一と別れたんだ…
だから…莉子ちゃんといるのは当たり前…だよ」
三人はすごく驚いた。
全身が震える。
目には涙が溜まった。
「…納得いかねぇ」
「ワタシも」
「…行くか」
そう言って三人は近くにきた恋一と莉子の足を止めた。
「く、玖白…美沙…雅哉さん…
それに、ひかり…」
恋一は目を泳がせていた。
「恋一〜、どういうこったぁこれは」
「説明しなさいよ!」
「ひかり…こっち来い」
私はそっと玖白の陰に隠れた。
「なんでソイツとお前が一緒にいんだよ、ひかりを置いといて」
「そうだよ恋一!
何か言ったらどうなの!?」
「……」
恋一は黙ってうつむいた。
雅哉と美沙は感情的になっているせいか、怒りがおさまらないみたいだった。
「……恋一」
玖白は一歩前に出て恋一の前に立つ。
「顔上げろ」
「……」
バキッ
「っ!?」
恋一が顔を上げた瞬間、玖白は恋一の頬をおもいっきり殴った。