俺ら参上ッッ!!
「い、今なんて…??」
再度確認してみる。
「だから、ウェディングイベントだって」
「う、ウェディングって…あの結婚式の?」
「おう、そうだ」
ウェディングの意味はわかっても、企画の意味がまったくわからない。
玖白の考えはいつも合うからすんなり乗ってるけど、今回初めて玖白に乗れない。
「まぁ、どういうことをするのか紙に書いてみた。
読めよ」
「お、おう…」
手渡された紙を見る。
びっしり字が書かれていた。
「ウェディングイベントとは…」
<全校生徒の中で、最も素敵なカップル3組を決めるイベント。
選び方はネクタイの交換。
意中の人とネクタイを交換したら、カップル成立となる。
そのカップルの中から全校生徒が投票して3組を決める。
そして決まった3組は、男はタキシード、女はウェディングドレスに着替えて結婚式(正式ではないが、学校での公認のカップルになる)をする。>
「あー、だいたいわかったよーなわからないよーな…」
「おい恋一、まだ続きがある」
「あ、ほんとだ」
続きを読んだ。
<ただし、元からカップルである人は対象外。
尚、カップルであるのにも関わらず参加した場合、学校追放となる。
会長の俺は誰が誰と付き合っているということを全部知っている。
下手な真似はしないように。
後、副会長・宮内恋一だけは参加を認める。
以上だ。
諸君、最高の文化祭にしよう。
生徒会長 柊玖白>
「なんか最後あたり脅迫みたいになってねーか!?」
「気のせいだろ」
気のせいじゃねーよ…
職権乱用しやがって。
ん?職権乱用?
ちょっと違うな。
「恋一は許可すると書いてあるだろ?
これが俺の狙い目だ」
「どういう……あ!」
「わかっただろ?」
今やっと玖白が考えていることがわかった。
玖白はひかりのネクタイ奪わせようとしてるんだな…
だけどオレは莉子と付き合ってる。
だからオレだけ許可させたんだ。
そして莉子が参加できないようにして、邪魔をさせないように。
それでオレがひかりにちゃんとした気持ちを伝えれば…
「玖白、お前最高だな!」
「だろ?」
ニヤリと笑う玖白。
絶好のチャンスだ!!
「ただし、絶対ひかりのネクタイ奪えよ?
…聖に負けるな」
「あ…」
そういや聖がいたな。
アイツは手強い…でも、頑張るしかねーよ。
オレはもう…ひかりを離したくない。