俺ら参上ッッ!!


「…さて、話を戻そうか」


玖白の言葉でまた一斉にみんなが静かになる。


「今年のイベントに何か質問のあるやつはいるか?」


誰1人として手を挙げない中、静かに恋一が玖白の後ろで手を挙げた。


「玖白!
ちょっとみんなに言いたいことあるんだ!」

「はい、意見ないみたいだし話は終了だ。
解散」


玖白がみんなに手を振った。

あ、あれ?
恋一は…


「お、おい玖白!
オレ手ぇ挙げてんだけど!」

「あ、そうだったのか。
まったく気づかなかった」

「気づいてただろ絶対!
わざとだろ!」


じゃれあう二人。
久しぶりに見る光景に、私も美沙もみんなも笑った。


「それで、なんなんだ?
時間押してるから早くしろよ」

「おう、わかった!」


そう言ってマイクの前に恋一は立った。
大きく息を吸って、話始める。


「みんな、いろいろと悪かった!」


深々と頭を下げる恋一。
みんなはびっくりしてざわついた。


「みんなの信用無くしかけてたうえに、ひかりにひどいことした」


恋一…

胸がキュッと締め付けられた。


「この場を借りて言わせてもらうけど…
オレはひかりが好きだ。
ひかりしか見えないんだ」


恋一!?

みんなはキャー!と黄色い声を贈る。
私はすごくびっくりして、心臓が止まるかと思った。


「ウェディングイベント、ひかりのこと狙ってるヤツは多いと思うけど…
わりぃが、オレがひかりをさらってくから覚悟しとけ?
以上!」


満面の笑みでお辞儀をする恋一。
なんだかわからないけど、自然と涙が溢れた。


「ひかり…良かったね…」

「うん…!」


泣く私の側に美沙が寄りそってくれた。

やっぱり私も恋一が好きだよ…
今さらほんとの気持ちなんてわかったけど、もう私は誰にも恋一を渡さない!
だって…こんなにも真っ直ぐに恋一に気持ちを伝えられたら、恋一しか見えなくなる。


「私も…人気な恋一のネクタイ取らなくちゃ…!」


私は決意を固めた。









< 78 / 98 >

この作品をシェア

pagetop