俺ら参上ッッ!!


――あれから一週間


文化祭の準備は、最後の仕上げにかかっていた。


「玖白!
作業してたらあっちーよ!」


恋一はネクタイを取って、制服をパタパタさせていた。


「俺は暑くない。
美沙、暑いか?」

「ぜーんぜん」


すまし顔で美沙が言う。


「ひかりは??」


確かに作業していると身体は温かくはなるけど…
もう秋だから、ちょうどいい。


「私も暑くないかな?」

「ほらな
エアコンはつけない」

「えー!!
クソー」


そのあともずっと、恋一はあっちーあっちー言いながら作業をしていた。


「ひかり!美沙!
ちょっといい?」


作業の途中で、クラスの月島さんが私達を呼んだ。


「どうかしたの?」


疑問を伝えると、私と美沙の耳元に月島さんが寄った。


「ちょっと衣装合わせ♪」


小声でそう言って、ウィンクをする。

衣装合わせって…もしかしてメイド服の…!


「わかった!
玖白ー!!ちょっと行ってくるね!」

「ん、どうしたんだ美沙」

「ひかりと用事できたの!」

「わかった。
早く戻って来いよ?」

「はーい!」


そう言って、私と美沙は月島さんについて行った。








-手芸部 部室-


手芸部の部室に入ると、いろんなクラスの衣装が山積みしてあった。

みんな頑張ってるんだ!


「ひかり、美沙、こっちこっち!」


月島さん以外に三人のクラスの女の子が待っていた。


「みんな手芸部なの!
さ、衣装合わせしよ!」


手芸部だったんだ!

月島さんは奥の部屋に行って、紙袋を2つ持ってきた。


「これにあそこで着替えてきてね!」


私と美沙に紙袋を押し付けて、試着部屋にいれられた。


「月島さん強引なんだから」

「あはは…」


少しワクワクしながら、二人で紙袋からメイド服を取り出してみたら…


「な、なにこれ!?」

「うわわ!//」


服に驚いてしまった。

な、なにこのフリフリ…!
しかもピンクだし!
薔薇いっぱいついてるし!

まさしく私のメイド服はロリータファッションのようだった。


「これ…露出度高くない…??」

「ほんとだ…」


美沙のメイド服はセクシーで、胸元が開いていた。
チャイナ服みたいな感じにもなっていて、足もすごく見える。
プラス網タイツ。


「何を狙ってこんなメイド服になったんだか…」

「あはは…
着替えよっか…」


ちょっと恥ずかしいけど、着替えて月島さん達のところへ行った。


「うわぁ!
予想通りひかりかわいい!!」

「美沙セクシー!
お姉さんメイドって感じ!」


手芸部の子達は目をキラキラさせて私達を見る。


「張り切って作ってよかった〜!!」

「努力のかいあるよね!」


まじまじと見られて、私と美沙はすごく照れた。


「てか、なんで同じメイド服じゃないのよ!」

「いやー、二人だけ特別仕様のメイド服だよ♪」

「うぅ…//」


は、恥ずかしい…//
こんなの恋一に見られたら…


「サイズもいい感じだし、さて、行こっか!」

「え!?え!?」

「どういうことなの!?」


グイグイ月島さんに押されて、手芸部を出てあるところへ向かっていた。

も、もしかして…!!


「つ、月島さん!
私達のクラスに向かってない!?」

「え?
当然!」

「ちょ、ちょっと!
ワタシこの格好で…!」


私達が何を言っても月島さんの押しは強くて、結局私達のクラスの前に来てしまった。


「ひかり…
もうこれは諦めるしかないね…」

「うぅ…」


少し涙目になりながら、腰がひける。


「さ、行った行った!」


ポンと月島さんに背中を押されて教室に入った。





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