俺ら参上ッッ!!
「遅かったな、美沙、ひかり…
……は…?」
「おう!おかえり……え?」
二人が私達に振り向いた瞬間、驚いた表情で固まった。
「大成功っ♪」
月島さんはニヤニヤしながら教室を出て行った。
「お、おい美沙…
その格好…」
「あ、あんまり見ないで!//」
モジモジする美沙。
今まで見たことない感じに、かわいいと思ってしまった。
「や、やべ…
目の毒だ…」
「く、玖白の馬鹿っ!!//」
相変わらずのラブラブっぷり。
見てておもしろいけどね。
緊張がいつの間にか解けていて、恋一に視線を移したら、私の方を見て口を開けてずっと固まっていた。
「こ、恋一…?」
恋一に歩み寄ると、はっとして恋一が頭を横にぶるぶる振った。
「ほ、ほんとにひかりか…??」
「う、うん…」
また恥ずかしさが込み上げる。
「……ひかり、ちょっとコッチ来い!」
「へ!?」
いきなり腕を掴まれて引っ張られた。
恋一、どこ行くの…!?
走って、ついた先は屋上。
「ハァ…ハァ…」
「はぁ…」
全速力で走ったから、二人して息があがっていた。
「ふぅ…ここならいいか」
「え?」
息を整えて私に向き直る。
「……」
ジッと見られる。
頭の先から爪先まで、視線を行ったり来たりする恋一。
「……ヤベー
ちょっと待てよ…いきなり…」
恋一は照れて視線を反らした。
ど、どうしたんだろう…
私メイド服似合ってなかったのかも…
「変…かな」
「はぁ!?
バカ!んなことあるか!」
そう言って恋一はぎゅっと私を抱きしめた。
「恋一…//」
「かわいすぎんだよ…
誰にも見せたくねーから屋上連れて来たんだ」
前にも…夏休みの時に言った言葉だ…
嬉しくなって、恋一の背中に腕を回す。
「ありがとう…恋一」
「お、おう…
これ文化祭ん時にいろんな生徒に見られるんだろ?
もちろん一般の人も」
「う、うん…」
「すっげーヤダ…
オレだけのもんにしたい…」
恋一の気持ちはすごく伝わるけど…
「貢献しなくちゃいけないから、メイドしないとね?」
「わかってるっつのー」
身体を離したら、恋一がムスッとした顔をしていた。
かわいくて、つい笑ってしまう。
「なんだよー」
「ううん、なんでもない!
でも恋一だって執事やるんでしょ?」
「はぁ!?
やっぱやんなきゃなんねーの!?」
「何言ってるのさ、恋一!
当たり前っ!」
えーと拗ねる恋一はほんとに可愛かった。
恋一だってかっこいいから、一般の人に絶対モテる…
心配なのは私だってそうだもん。
でも…こんなので絆が壊れたりなんかしない。
だって、私は恋一が好きだから。
「教室帰るか!」
「うん!」
二人で屋上を後にした。