俺ら参上ッッ!!
*恋一side*
-文化祭2日目-
今日は午前だけ仕事して、午後はずっとひかりと一緒にいろいろ見て回る予定だ。
「おっし!
気合い入れてくぜ!」
お客さんのもとへ向かう。
「お帰りなさいませ、お嬢様。
二名様でしょうか?」
「「は、はい!」」
相変わらず柄に合わねーなぁ…
それに…
オレはふとひかりへ視線を向ける。
オレがつかえたいのはひかりだけだっつの…
そんなことを思っていたら、玖白にメニュー表で叩かれた。
「なにすんだよ玖白っ!」
「ボケッとすんな。
早く運べ」
「ほーい」
玖白に言われて、三番テーブルへと料理を運ぶ。
あと一時間だ…頑張れオレ!!
活を入れて、また仕事へ励む。
「ひかり、また無理してねーかな…」
またひかりへ視線を移すと、他の客に笑顔で接客していた。
あの笑顔、オレのもんなのに…!
ふつふつとイライラが沸いてくる。
なっ!
あの客、どさくさに紛れてひかりの手触ってやがる…!
「おい恋一」
クソ…言いに行くべきなのか、コレは
「恋一」
でも仕事だもんな…
こんなんでやきもち妬いてたらひかりも迷惑か…
「恋一!」
それにオレらまだヨリ戻してな…
「うわっ!!
玖白!?」
「なに百面相してるんだ。
まぁ、ひかりのことだと思うが」
「うっ…」
やっぱり鋭いな、玖白は…
「まぁいい。
もう今日はいいぞ」
「え!?
もう終わったのか!?」
「おう。
お疲れさん」
玖白はオレの肩をポンと叩いて、奥の部屋へ行ってしまった。
ふぅ…
よし、これでひかりと二人でゆっくり出し物見に行けるぜ!!
ワクワクしながらひかりのもとへ向かった。
「よーし、何から見て回るよ?」
「うーん、そうだなぁ」
オレ達は二人で校内を歩く。
いろいろ楽しそうなイベント、出し物がいっぱいあった。
「今年は去年に負けないくらい盛大だね!」
「あったりめーよ!
なんせ、玖白とオレが主催者なんだからな?」
ひかりはそうだね!と笑顔になった。
相変わらずかわいいな…ほんと
「明日…緊張すんなー…」
「明日?
……あ!ウェディングイベント…!」
明日が文化祭の最終日であり、一大イベントのウェディングイベントがある日だ。
緊張はする。
だけどオレは誰にも負けない。
勝って、ひかりに伝えたいことと渡したい物がある…
だから…
「ひかり、お前も頑張ってオレんとこにネクタイ奪いに来いよ?」
「もちろんだよ!」
オレ達は約束の指切りをした。
ひかり…
オレ頑張るから。