俺ら参上ッッ!!

ちょっとした番外編ッッ!!

*雅哉side*



「へー、相変わらずスゲーんだなー文化祭!」


オレ、海野雅哉は文化祭を満喫していた。


「ねぇねぇ!
もしかしてあの人!」

「絶対そうだよね!」


明らかにオレの話をしている他校生の女子。

ふっ…まぁ、オレモテるから仕方ない。

少し鼻を高くしながら歩いていたら、その女子達がオレのそばに寄ってきた。


「あの!」

「んー??」


やっぱりきたか!!
ここは紳士対応だ!!


「どうかしたの?
道にでも迷った?」


爽やかに言ってみせた。

ふっ、オレに夢中になってる…
言い方はアレかもしんねーが、単純だな。


「あ、違うんです!!
その…」


もじもじする女子二人。

あ?
なんなんだ?


「やっぱり生で見るとさらにカッコいいなって//」


他校にもオレのこと知られてんのか!?
さすがだな…雅哉よ。

自分で自分のことを褒めた。
いわゆる自画自賛。
でも、そんな自画自賛がすぐに打ち切られる。


「やっぱり噂通り優しいんですね…宮内恋一さん!」

「……は?」


宮内…恋一?

頭が混乱した。


「やっぱり素敵な人だ//」

「だよね!//」


ちょっと待て…宮内恋一って…
オレ間違われてんのか!?

ガックリした。
まさか恋一と間違われるなんて。


「なぁ君達…
オレさ、宮内恋一じゃねーんだけど…」

「「え!?」」


二人は顔を見合せておどおどしていた。

な、なんかわりぃことしたな。


「でも、どこからどう見ても宮内恋一さんなのに!!」

「そうですよ!」


ど、どこからどう見ても…??

少し困っていた時、たまたま恋一が通りかかった。


「おい、恋一!」

「へ?
あー、雅哉さんじゃないすか!」


近寄ってくる恋一へ向かって指をさして、アイツアイツと二人に教えた。


「どうかしたんすか?」

「あ、いや…実はな」

「えぇ!?
宮内恋一さんて双子だったの!?」

「聞いてなかった!」


は!?
勘違いされすぎだろ!!


「ふ、双子?
どういうことすか、雅哉さん」

「オレが聞きてぇよバカ!」


恋一はきょとんとした顔をした。

まぁ…いきなり呼ばれてこう言われたら、ワケわかんねーに決まってる…

オレは今起きた出来事を全部恋一に説明した。


「なんだ!
そういうことだったんすね!
あ、オレ達双子じゃないんだ」


恋一がそう言うと、二人はさらに驚いていた。


「オレは宮内恋一。
コッチは海野雅哉さんだ」

「そうだ。
まったく血は繋がってねーよ」

「えぇ!?
こんなに似てるのに!?」


オレと恋一は顔を見合せる。

どこが似てんだ…??
金髪一緒だからか?
ピアス開いてるからか?
でもオレのが身長高いし、髪型だって違う。


「双子の兄弟に見えた?」

「はい!」

「そっか…!」


恋一はなぜか頬を赤くした。

おかしくねーか!?


「じゃあ、双子の兄弟ってことにしといて!!」

「はぁ!?
何言ってんだ恋一!」


満面の笑みな恋一に、さらに混乱する。


「兄弟に見えるくらい仲いいってことっすよ!」

「あぁ…うーん…」


悪い気はしねーけど、これ以上男の兄弟はいらねーなぁ…

そう思ったけど、やっぱりまんざらでもなかった。
これがきっかけで、オレ達はさらに仲が良くなったのは…その後からだった。






< 92 / 98 >

この作品をシェア

pagetop